9月の重なり ― 秋物がまだ入荷している最中に春物を仕入れる
9月は、卸売のバイヤーが相反するふたつのことを同時に求められる唯一の月です。秋物が入荷し、それを売らなければなりません。春物が展示され、それを仕入れなければなりません。どちらも同じ運転資金から出ていきます。そして負けるのはたいてい、決める瞬間に数字がいちばん見えていないほうのシーズンです。
まずは秋の納品が何を語っているかから始めてください。これから二週間、それが唯一の本物のデータだからです。新しい納品のプロパー消化の最初の二週間は、バイヤーが手にする最も正直な信号です。値引きは一切かかっておらず、販促が絵を歪めてもおらず、お客様は商品そのものだけで選んでいます。読むときは総枚数ではなくサイズカーブで読んでください。MとLが10日で売り切れた型は、そのまま繰り返してよい成功ではありません。お客様に対してサイズの構成が合っていなかったということであり、繰り返せばSとXXLの同じ残りをもう一度買うことになります。

そのうえで、9月の追加発注が何を代償にするかを正直に見てください。いま秋物のラインに入れる追加は、プロパーで売れる期間がせいぜい八週間しか残っていない状態で届きます。しかもこれは甘めの読みです。請求書の単価は変わりませんが、販売期間は半分になります。つまり実際の粗利は、提示された数字ではありません。9月に機能する追加発注は、狭くて速いものです。実績の出た二型を、売り切れた二サイズで、いちばん先に売り切れた色で。失敗するのは、8月に見栄えがよかったからという理由でレンジ全体を組み直そうとする追加です。
春物には逆の規律が要ります。ショールームはその場で説得するように作られていますが、その場は仕入れの厚みを判断するには最悪の場所です。確信のある品番には早く決め、そして意図的に予算の一部を使わずに残してください。4分の1というのが現実的な目安です。残した分は1月のためのものです。そのころには、今日どうしても知りようのないこと ― 秋が実際にどう終わったのか ― が分かっています。9月に予算を使い切るバイヤーは、4分の1を残すバイヤーより勇敢なのではありません。いちばん情報が少ない時点へ判断を移しただけです。

持ち越しは、ふつう向けられている以上の検討に値します。9月の終わりには、動きの鈍い秋物を早めに下げて現金を守ろうという反射が働きます。たいていそれは誤った反射です。5週目の値下げはお客様に「待つこと」を教え、まだ残っていたプロパーの週を食いつぶします。より有効なのは置き場所です。品を動かし、ウィンドウを組み直し、売れているものの隣に置く。値引きは、ほかの何にも反応しなくなった瞬間まで取っておいてください。
重なりの月には、幅よりも厚みに価値があります。適正な厚みの2色は、薄い配分の5色よりも売れます。サイズが欠けた棚は、在庫がなくなるずっと前に売れなくなるからです。これは先行予約の実務上の根拠でもあります。もともと確信のある品番に、生産される前に決めておく。そうすれば厚みと納品枠の両方を確保でき、リスクを、確信がいちばん薄いところではなく、いちばん濃いところに置けます。
これは予測ではありません。毎年9月に繰り返される同じ規律です。実際に見えている二週間を読むこと。実績の出たものだけを狭く追加すること。まだ知りようのないことのために予算を残しておくこと。そして、今日ラックを埋める安心のために春の予算を使ってしまわないこと。